ブラントン美術館 (Austin, Texas USA )

アメリカ、テキサス州オースティン。充実した中南米の作品を鑑賞後、テキサスの人々のフレンドリーさに触れる光景に出会う。

アメリカ、テキサス州オースティンにある美術館。テキサス大学オースティン校の付属施設として、大学の敷地内にある。現代美術を中心とした展示が行われている。大学美術館としては、全米で最大規模ということだ。大学美術館というと、古い絵画で占められている印象が強いが、現代・コンテンポラリー系が占める珍しい美術館だ。ちなみに、60年代後半の著名ロックミュージシャンであるジャニス・ジョプリンは、テキサス大学オースティン校をドロップアウトしている。

美術館の建物は二つから構成されている。道路から敷地内に入って右側の建物に作品が展示され、左側は、カフェ、ショップ、その他の施設が入っている。展示が行われている建物に入り、リセプションを過ぎると、天井まで吹き抜けのスペースがあり、オブジェがぶら下がっている。

一階は、企画展が行われていて、私が訪れた時は、中南米のコンテンポラリー系アートを展示していた。展示の内容もあるのだろう、説明がスペイン語と英語で併記されており、その表示の仕方から、この美術館のセンスの良さが窺えた。中南米の作品は、色鮮やかで元気が出る作品が多いが、アメリカでも、多くのコレクションが見られる場所は限定されており、この観点では、貴重な美術館とも言えるだろう。

二階は、常設展で、欧州、アメリカ、ラテンの部屋に分かれている。欧州の部屋には、古い宗教画が展示されていたが、その他は、ほぼ、コンテンポラリー系の作品で埋め尽くされ、アメリカ、ラテンの部屋は、刺激的なコンテンポラリー作品を楽しむことができた。ちなみに、日本の作家では、草間彌生の作品が展示されていた。

尚、二つの建物の間の広場の奥に、教会をモチーフとした建物があり、内部にステンドグラスをあしらった作品が展示されており秀逸。この建物の中に入ったところに女性の係員が椅子に座っていたが、建物を出るときに「Thank you」と言いながら、右手を振ってくれたのが印象的だった。実は、このあと、車を運転しているときに、対向から来た車に道を譲った際、その女性ドライバーが私に向かって、両手を振っており、おそらく、このリアクションは偶然ではないと察した。この動きは、こちらでは普通のことなのかもしれない。非常にフレンドリーな感じがして、好印象だった。

テキサスの人は、フレンドリーという印象だ。気軽に声を掛けてくるし、目が合うと挨拶をしてくる。見方にもよるが、西海岸よりもフレンドりーかもしれない。このあたりのフレンドリーさと上述の女性が手を振る行為は関係しているのかもしれない。

テキサスには、このブラントン美術館以外にも、素晴らしい美術館がある。フォートワースにあるフォートワース現代美術館と、ダラスにあるダラス美術館は特にオススメだ。このブラントン美術館と合わせて足を運んでいただければと思う。

2019年訪問

​基本情報

​■ 名称:ブラントン美術館
■ 住所 : 200 E Martin Luther King Jr Blvd, Austin, TX, USA
​■ ホームページ: https://blantonmuseum.org/